Z世代とはどんな人たち?特徴や接し方などをわかりやすく解説
マーケティングや人事・人材の分野において、今後重要なポジションとなるであろうZ世代。Z世代とは、いったいどういう人たちでこれまでの世代とはどう違うのでしょうか。
今回の記事では、Z世代の特徴や接し方を紹介します。
目次
- Z世代とは?
- Z世代の特徴
2-1.SNSネイティブ・スマホネイティブ
2-2.ネットリテラシーの高さ
2-3.ダイバーシティ(多様性)の受容
2-4.実用性と個性の重視 - 仕事に対する価値観や職場に求めるもの
3-1.安定志向
3-2.ワークライフバランス
3-3.公平性と合理性
3-4.社会貢献 - Z世代との接し方と環境づくり
4-1.接し方
4-2.環境づくり - まとめ
Z世代とは?
Z世代とは、明確に定義されてはいませんが、1990年代後半から2012年前後に生まれた世代を指します。「ジェネレーションZ」や「SNSネイティブ」「スマホ世代」などとも呼ばれ、2021年現在は学生、もしくは社会に出て間もない人たちが多い世代です。
Z世代の語源は、カナダの小説家ダグラス・クープランドが書いた『ジェネレーションX -加速された文化のための物語たち』という著書を由来として、アメリカで生まれた世代の分け方に起因します。1965~1980年前後に生まれた人をX世代、1981~1995年ごろに生まれた人をY世代と呼んでいたため、Yの次の世代としてZ世代と呼ばれるようになりました。
※それぞれの年代の区切りには諸説あるので、目安として参考にしてください。
Z世代のひとつ前の世代であるY世代は、ミレニアル世代とも呼ばれています。Y世代もデジタル機器にある程度親しみはありますが、いわゆるガラケーが主流の時代で、今ほどSNSも発達しているわけではありませんでした。
そのためZ世代よりもアナログには理解があるほか、ブランド物を好むなど理想を求める方が多い傾向にあります。対してZ世代は現実主義寄りの思考を持つ方が多いなど、Y世代とは違いがみられます。
そんなZ世代の特徴とはどんなものなのでしょうか。
Z世代の特徴
Z世代は、SNSネイティブなどの呼称にもある通り、生まれた時からインターネットが普及し、パソコンだけではなくスマートフォンやタブレットといったデジタルデバイスに親しんでいます。
Z世代の主な特徴として以下のような点が挙げられます。
SNSネイティブ・スマホネイティブ
2010年頃からスマートフォンが普及し、初めて手にしたデジタルデバイスが携帯電話ではなくスマートフォンという方も多いです。パソコンよりもスマートフォンで情報収集し、そのツールとして検索エンジンだけではなく、TwitterやInstagramのハッシュタグを利用しています。
ネットリテラシーの高さ
生まれた時からデジタル機器に慣れ親しんでいるため、ネットリテラシーが高いことも特徴です。ネットリテラシーとは、インターネットやデジタル機器を使いこなすスキルや能力のこと指します。Z世代は、TwitterやInstagramなどのSNS、Youtubeなどの動画サイト、LINEをはじめとしたコミュニケーションツールなど、幅広いコンテンツを使いこなしている世代です。
そのため、プライバシーやセキュリティへの意識が高い傾向にあります。
ダイバーシティ(多様性)の受容
SNSやインターネットが普及し、個々で情報を発信することも容易となりました。発信された情報にアクセスすることもでき、社会には国籍や人種、性別などを問わず、多様な人々がいると自然に受け入れ、誰かが差別されるのはおかしいという考え方をしています。
そのため社会問題への関心の高さのほか、友人と過ごす時間やコミュニティなどの人とのつながりを大切にする傾向にあります。
実用性と個性の重視
Z世代は2008年に起きたリーマンショックの不況の中で育ち、2011年には東日本大震災も経験しています。その影響か現実主義な一面があり、ブランド品や高級感があるものよりもコストパフォーマンスや実用性が高いものを選びやすいようです。
また、多様性を重視する分、自分らしさも大切にしていて「自分が気に入った」という理由で商品を選ぶ方も多いです。
仕事に対する価値観や職場に求めるもの
多様性を受け入れ個性を大切にしているZ世代は、仕事や職場になにを求め、どんな働き方をするのでしょうか。
安定志向
Z世代は保守的、あるいは安定志向といわれています。転職を繰り返したり、起業して独立したりではなく、安定して長く働ける会社を選ぶようです。その一方で大手に勤めたいという意識が強いわけではなく、自分に合う会社や伸びしろのありそうな業界を選ぶ傾向にあります。
ワークライフバランス
ワークライフバランスとは仕事と私生活のバランスを取り、両方を充実させていくことを指します。ワークライフバランスを大切にするZ世代には、ノルマが厳しそうな会社や海外転勤など、プライベートに影響を及ぼすような仕事は敬遠されがちです。
身を粉にして働くよりは、仕事もプライベートも楽しみたいという考えが目立ちます。
公平性と合理性
自分から情報を発信したり収集したりすることに慣れているZ世代は、上司や先輩ともオープンな人間関係を築こうとする傾向が強いです。「会社の方針だから」「上司の命令だから」といった形式にとらわれた価値観では納得できないことも多く、社内評価や昇進・昇給の制度などが不平等で理不尽なものであれば受け入れがたいと感じるでしょう。
社会貢献
インターネットが普及し世界中の情報が簡単に入る環境の中で育ったZ世代は、社会問題に関心が強く社会に貢献できる仕事がしたいと考える方が多いようです。
Z世代との接し方と環境づくり
Z世代とうまく付き合っていくため、またZ世代が活躍できる環境を用意するにはどうしたらよいのでしょうか。
接し方
まずZ世代とのコミュニケーションの取り方ですが、メンター的な接し方を心がけることが大切です。後輩や新入社員をサポートする制度をメンタリングと呼び、そのサポートを担う人をメンターと呼びます。
Z世代には一方的に指示や命令を出すよりも、対話をするように必要なサポートや研修を行ってみてください。評価の基準や仕事の目的などをしっかりと伝え、良かった点や改善点もフィードバックし、フラットな人間関係が作れるように心がけることが理想的です。
かといって、距離を縮めようとして急にプライベートに踏み込むのは逆効果です。Z世代は個人やプライベートも大切にするので、昔のように「飲み会は仕事の延長」のような気持ちで誘うと、間に溝ができてしまう可能性も考えられます。
相手が言い出した時など、機会があれば話す程度にして、適切な距離を心がけてください。
環境づくり
Z世代は基本的に個性を尊重し、自由な発想ができる環境を好みます。工場など複数の人間が同じ作業をする際に、一定の品質を保つためにマニュアルがどうしても必要なケースはあります。しかし、ルールで縛らず個々を伸ばすような育成が、Z世代本人ひいては会社の成長につながります。
そしてZ世代はデジタル端末の操作に慣れている世代でもあります。その強みを活かし、ハンコや紙の文化といったアナログ的なものにこだわらず、電子印鑑など利用できる新たなデジタルツールを利用していくことが望ましいです。デジタル化を進めることで業務の効率化や経費の削減にもつながるかもしれません。
まとめ
デジタル端末に慣れ親しんでいるZ世代。
主に、
・SNSやスマホに慣れている
・複数のツールを使いこなせる
・様々な人がいると理解し個性を受け入れている
・理想よりも現実や実用性を重視
といった特徴がありました。
そんなZ世代が仕事や職場に求めているものは、
・安定した環境
・仕事と私生活の充実
・合理的で公平であること
・社会への貢献
でした。
Z世代とうまく付き合っていくには、頭ごなしに命令や指示を出すのではなく、オープンな人間関係を形成し、プライベートも大切にしてあげてください。
会社においては仕事とプライベートを充実させられる柔軟なスタイルを取り入れ、ルールで縛るよりも個々を伸ばしていく育成方法を採ったほうが、成長につながっていきます。
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ライター:彦坂