わかりやすく解説!トライアル雇用とは
「トライアル雇用」という言葉を聞いたことはありますか?
「試すこと」を表す「トライアル」という言葉、トライアル雇用と試用期間はどのように違うのでしょうか。
今回はトライアル雇用の概要と、そのメリット・デメリットについてご紹介します。
目次
トライアル雇用とは
トライアル雇用は、3ヶ月の間に企業と求職者の双方が適正を見極める機会を設けることで、ミスマッチのない正規雇用に繋げることを目的としています。
求職者に長期ブランクがある場合や、就業経験が著しく不足している場合の救済措置として、厚生労働省によってトライアル雇用は設けられました。
大きく分けて「一般トライアルコース」と「障害者トライアルコース」の2種類があります。
トライアル雇用を利用することで企業は助成金を受けることができるのが大きなポイントで、試用期間とはこの点で大きく異なります。
トライアル雇用の詳細
以下のいずれかに該当し、紹介日に求職者がトライアル雇用を希望する場合のみ対象になります。
※以下、厚生労働省の「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)のご案内」より一部抜粋
URL:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000161178.pdf
<一般トライアルコース>
助成金の支給額:対象者1人当たり、月額最大4万円(最長3カ月間)
①紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する
②紹介日時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業に就いていない
③紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
④紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている
⑤ 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、
安定した職業に就いて いない期間が1年を超えている
⑥就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する
※以下、厚生労働省の「障害者トライアル雇用のご案内」より一部抜粋
URL:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000103771.pdf
<障害者トライアルコース>
助成金の支給額:対象者1人当たり、月額最大4万円(最長3か月間)、精神障害者を初めて雇用する場合、月額最大8万円(最長3か月間)
①紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望している
②紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
③紹介日の前日時点で、離職している期間が6か月を超えている
④重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者
続いて企業側と求職者側それぞれの立場で見た、トライアル雇用を利用するメリットとデメリットについてご紹介します。
トライアル雇用のメリット・デメリット
<企業側のメリット・デメリット>
採用段階でのミスマッチを防止できることが大きなメリットだと言えます。
トライアル雇用では、履歴書や職務経歴書、面接などではわからない「実務の中での適性」を確認することができるのが嬉しいポイント。
また、条件を満たした企業には助成金が支給されるため、採用コストを削減することもできます。
一方で、トライアル雇用では就業経験が乏しい人や長期間のブランクがある人が応募してきます。
そのため通常の中途採用と比べ、教育体制をしっかりと整える必要がある点は少しデメリットになるかもしれません。
しかし、トライアル期間中に求職者をしっかりとサポートできる環境づくりを行うことで、この課題は払拭できそうです。
<求職者側のメリット・デメリット>
求職者にとっても「実務の中での適性」を確認できるのは大きなメリットになります。
求人票や面接の際にはわからなかった実際に働いてみた感触をもとに、自分に合う仕事なのかを判断できるのはトライアル雇用ならではの利点です。
また、面接までのハードルが低くなる点も見逃せないポイントです。一般的な求人は書類選考における比重が大きく、職歴に大きなブランクがある場合はその通過が難しくなりがちです。
トライアル雇用では実際の業務の中で適性を判断することに大きな比重が置かれるため、書類選考を行わず面接のみで判断するケースが多くあります。
そのため、大きなブランクがある求職者でも採用につながるチャンスが広がると期待できそうです。
一方でトライアル雇用期間を終えても本採用されるとは限らない点がデメリットだと考えられます。
しかし、可能であれば本採用にならなかった理由を聞いて次に活かすなど、前向きな行動によりこの点はカバーできそうです。
まとめ
ここまで、トライアル雇用についてご紹介してきました。
まとめると、トライアル雇用は実務の中で適性を判断できるという点が企業にとっても求職者にとっても一番のポイントになります。
また、企業にとってはコストを削減しながらより多くの人材へアプローチができる点も大きなメリットになると言えます。
上手にトライアル雇用を活用して、よりよい採用につなげることができるとよいですね。
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ライター:井上