コンピテンシーとは?わかりやすく解説&導入のポイント

「なぜ高い成果を出すことができたのか?」を知ることができる「コンピテンシー」。人材の指導・育成にはもちろんのこと、採用にも大いに活用できます。

今回は、コンピテンシーの意味や活用方法についてわかりやすく解説していきます。

目次

  1. コンピテンシーとは?
     1-1.成果だけではなく、過程を評価するということ
     1-2.意識して評価する姿勢を持つことが大切
  2. 採用にどう活かす?
     2-1.活躍している社員の分析に
     2-2.自社の方針と照らし合わせる
     2-3.採用面接の質問に反映
  3. まとめ



コンピテンシーとは?

コンピテンシー(competency)とは、高業績者に共通する行動特性のことです。もっと簡単に言うと、「活躍している人みんなが考えていること」になります。

コンピテンシーという言葉そのものは、もともと「資格」「能力」という意味です。

ですが近年、企業においては「仕事ができる人が心がけていること」といったニュアンスで使われはじめました。基本的には業界や職種、部署によって効果の高い行動は変わってくるので、「このポジションで成果を出している人が、仕事に取り組むにあたって考えていること」といったくくり方をします。

具体的な行動や努力のことを指すのではなく、あくまで「結果を出すためにこういった努力をしたのはどうしてだろう?」というポイントに焦点を当てることです。



成果だけではなく、過程を評価するということ

コンピテンシーとは、「人が頭の中で考えていること」なので、目に見えて評価されるものではありませんでした。

「新規案件を○件獲得した」「生産効率が一番良かった」「顧客満足度が高かった」など、数字にしやすい成果・結果は評価されやすい傾向にありますが、「そのためにどんなことを心がけたか?」「どんなことを考えて取り組んだのか?」という点は、見逃されてしまうこともあります。

そういった、仕事ができる人の「姿勢」「考え方」「価値観」といった、「成果に繋がることの要因」を評価する体制です。



意識して評価する姿勢を持つことが大切

コンピテンシーを汲み取り、社内に浸透させるためには、積極的な評価姿勢が必要です。

たとえば、「新規案件を○件獲得した」のがその人の成果で、そこに繋がる行動は「商品の説明を、短時間で的確かつ魅力的に話した」ことだとします。その行動の理由は、「お客様の貴重な時間をいただくわけだから、だらだら話すべきではない」という考え方からくるものでした。

「短時間で的確に説明する」という行動だけでは、その理由が「効率が重要だと思ったから」なのか、「話すよりも、丁寧な資料作りのほうが大切だと思ったから」なのかはわかりません。

成果が出た理由は「お客様の貴重な時間」という考え方にあるのに、それを知らないまま「短時間で的確に説明する」というところだけを真似ても、成果が出ない可能性もあります。

高い成果を出すためには、行動の要因となる考え方や姿勢を知り、「それはいいことだね」と評価していこう、ということですね。



採用にどう活かす?

活躍している社員の分析に

採用基準を設けるにあたって、模範的な社員の分析は重要だと言えます。

たとえば、求める人材の条件に「コミュニケーション能力」が挙げられることが多いですが、業界や役職、または企業によって求めているものは大きく異なります。

営業職なら初対面の人と打ち解けるスキルが求められます。その能力を身に付けるために必要なのは「最初の印象が大切だからという考え方」かもしれませんし、「短時間で相手のことを覚えるのが重要という姿勢」なのかもしれません。

表層的な人材像ではなく、「こんな考え方をもって、仕事に取り組める人」というところまで落とし込み、求職者に響く言葉に組み替えることで、より質の高い採用情報を作成することができます。



自社の方針と照らし合わせる

コンピテンシーと自社が目指すものを比較してみると、違う切り口が見つかるかもしれません。

変わらない自社の方向性がある中で、需要は時代に合わせて変化していきます。現場により近い場所で活躍する人の「最近こういうことが多いので、こんなことを心がけるようになりました」という声を汲み取ることで、人材育成のアップデートにも活かせます。



採用面接の質問に反映

自社で活躍する人の分析、人材教育のアップデートはもちろん、採用面接の場に活かすこともできます。

分析したコンピテンシーからマッチした求職者を選別するために、「なぜ、そのスキルを身に着けようと思ったのですか?」「どうして、こんな活動をしようと考えたのですか?」という「理由」を問います。

応募者のコンピテンシーを理解することで、より最適な人材採用が期待できます。



まとめ

「どんな考え方や姿勢で行動に取り組み、成果が出たか」という要因を指すコンピテンシー。自社で活躍している人がどんなことを考えて働いているのかを知ることで、明確な採用基準の設定に活かしたり、採用面接の質を上げたりすることができます。

見えにくいものだからこそ、きちんとヒアリングすることで汲み取り、評価することでモチベーションアップにも繋がります。

自社の採用や人材育成を見直す際、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。



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ライター:野倉