インクルージョンとは?ダイバーシティーとの違いと推進事例
「インクルージョン(包括・包含)」という言葉を聞いたことはありますか? 「ダイバーシティー(多様性)」と関連した概念で近年とても注目されています。
今回はインクルージョンついて、その概要と具体的な推進事例をご紹介したいと思います。
目次
インクルージョンとは
「ダイバーシティー(diversity 多様性)」という言葉があります。ダイバーシティーは、様々な年齢、性別、国籍の人を意味します。※ダイバーシティーは、ダイバーシティと表記されることもあります。
近年は、ダイバーシティーを重視した様々な人材が活躍できる社会づくりが重要視されています。
それに関連して、「インクルージョン(inclusion 包括・包含)」は、その様々な人材が最大限の能力を発揮して、やりがいを感じられるような環境を表す言葉です。
ダイバーシティーだけでは、多様な人材を受け入れた後の業務での活かし方が曖昧なため、多様な人材を受け入れた後の活用方法までしっかりと考えるということがインクルージョンのポイントです。
インクルージョンという概念
インクルージョンを重視するという概念は、もともとフランスで「社会的・経済的格差」を「ソーシャル・エクスクルージョン(社会的排除)」と呼んでいたところから始まります。
社会的排除は、社会から排除された若年層の失業者、ニート、障がい者などを含んだ格差社会の問題点を表した言葉です。
1980年代には、アメリカでの障がい児教育の分野において、この概念が注目され始めました。
また日本では、「インクルージョン」が障がいをもった児童が通常学級で学ぶ「インクルーシブ教育」という言葉として用いられるようになったのがきっかけとなり、インクルージョンの概念が様々な分野へ広まっていきました。※「インクルーシブ」=inclusive、「~を含んだ」という意味。
インクルージョンの推進事例
三井住友フィナンシャルグループ
三井住友フィナンシャルグループは、「男性の育休取得率100%」を目標としており、子どもが生まれた男性社員とその上司に、人事部から育休の取得を推奨するメールを送付しています。
その結果として、2018年度には316名、2019年度は838名の男性社員が実際に育休を取得できたと公表しています。
参考:三井住友フィナンシャルグループのホームページ内、SMBCグループ各社の従業員データ
URL:https://www.smfg.co.jp/sustainability/report/data/
ソニーグループ
ソニーグループはソニー株式会社を中核とする企業グループで、「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉を積極的に使用し、多様な社員が定着して働き続けられることを重要視しています。
その一環として、「Diversity Week 2020」と題したイベントが2020年9月に開催されました。このイベントでは、ジェンダーや年齢、LGBTQ、障がい者、子育ての両立支援などの多岐にわたるテーマについてのセミナーがオンラインにて行われました。
ソニーグループは、同イベント内で84か国の学生が集うユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンで代表理事を務める小林りん氏の講演や、その他著名人によるLGBTQをテーマとした講演を行う機会を積極的に設け、「ダイバーシティ&インクルージョン」の理解と実現に取り組んでいます。
※LGBTQ…以下の各単語の頭文字をとった言葉で、それらを包括した性の多様性を意味します。
女性同性愛者(Lesbian)、男性同性愛者(Gay)、男女を問わない両性愛者(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender=性自認が身体の性別と一致しない人)、クエスチョニング(Questioning=セクシャリティを決め兼ねているアイデンティティをもつ人)
参考:ソニーグループのホームページ内、ダイバーシティウィーク 2020開催「共感でつながり、多様性を強みに」
URL:https://www.sony.co.jp/SonyInfo/diversity/report/05_43.html
まとめ
ここまで、「インクルージョン」についてご紹介してきました。
まとめると、「インクルージョン」はダイバーシティーを受け入れた後、それらの多様な人々が活躍できる環境を意味します。そのため、インクルージョンの実現のためには、ダイバーシティー以上に具体的な取り組みを行うことが重要だと言えます。
今回ご紹介した二つの推進事例を参考に、小さなことからでもインクルージョンを推進するための取り組みが行えるとよいですね。
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ライター:井上