ロゴや資料に!フォントの簡単な選び方
企業ロゴや資料、商品説明などのイメージを大きく左右する要素のひとつにフォントがあります。無料で使えるフリーフォントだけでもたくさんの種類がありますが、適当に選ぶと「なんだかダサい…」なんてことに。
今回は、簡単にわかるフォント選びのコツについてのお話です。
目次
- フォントとは?
- フォントの種類とイメージ
2-1.明朝体/セリフ体
2-2.ゴシック体/サンセリフ体
2-3.手書き風の書体
2-4.装飾性の高い書体 - フォント選びのポイント
3-1.長文か短文か
3-2.印刷するのか画面上で見るのか
3-3.どんなイメージの文章か - フォント選びの注意点
4-1.種類を増やしすぎない
4-2.特殊なフォントは画像にする - まとめ
フォントとは?
フォント(Font)とは、もともと「統一されたサイズ・書体デザインの文字の集まり」を指す言葉です。文字のデザインをいう「書体」とは別の意味を持つ言葉ですが、今はほとんど区別されることはなく、フォント=書体として使われています。
もう少し厳密に言うと、書体は「明朝体」「ゴシック体」といったデザインそのものを指しますが、フォントは「明朝体のひらがな、カタカナ、漢字、記号のセット」のことです。
文字のデザインを書体、WEBや印刷物などのデジタル書体をフォント、と呼ぶ場合もありますので、おおむね 文字のデザイン、そのひとかたまり くらいの認識で問題なさそうです。
フォントの種類とイメージ
装飾性の高い書体が増え、数えきれないほどのフォントが広まっています。細分化されていて分類するのは難しいですが、今回は大まかに4つに分けてご紹介します。
明朝体/セリフ体
※画像例には「MS 明朝」を使っています。
文字の端に付いた三角形のセリフ(ウロコ)が特徴です。和文書体は明朝体、欧文書体はセリフ体と呼びます。
繊細で上品なイメージを表現しやすく、高級志向、大人向けの製品などにぴったり。後述するゴシック体と合わせて、ビジネス上でよく使われる書体です。特に印刷物の長文に用いられます。
ゴシック体/サンセリフ体
※画像例には「MS ゴシック」を使っています。
文字にウロコなどがなく、端のラインが直角的なのがゴシック体、サンセリフ体です。角が丸い「丸ゴシック体」などもあります。
ポップな印象を作ったり、ロゴマークのベースになったり、といった部分が得意な書体ですが、クセがないので幅広く活用できます。視認性が高いので、光で文字が飛びやすいWEBページやスクリーン投影用のスライドに使われることが多いです。
ビジネス用の資料は、前述した明朝体/セリフ体と、ゴシック体/サンセリフ体を主に使います。
手書き風の書体
※画像例には「ふい字」を使っています。
ビジネス文書には使えませんが、企業や製品のロゴに使われるのが手書き風の書体です。
量産する印刷物やデータでも柔らかい印象や親しみ、温かさなどを表現できます。その中でも表現の幅が広く、毛筆書きなら上品な印象を、丸みのあるペン字なら子ども向けの優しい印象を…といったように、イメージに合わせて選びやすいのが特徴です。
装飾性の高い書体
※画像例には「DF 麗雅宋」を使っています。
手書き風書体同様ビジネス文書には不向きですが、ロゴマークなどに活用されることがある書体です。
有志のデザイナーによるフリーフォントの種類が豊富なジャンルで、文字の中にハートなどの記号を合わせたもの、太さの緩急をつけたインパクトの強いものなど、既存の書体ではできない表現が可能です。
文字だけでデザイン性の高いものが作れる一方、多用するとまとまりがなくなってしまうので、使うのが難しいものでもあります。
フォント選びのポイント
明朝体/セリフ体と、ゴシック体/サンセリフ体がビジネス文書に適していると述べましたが、具体的にはどのように使い分けたらいいのでしょうか。
以下の基準を持って考えれば、簡単にフォントを選ぶことができます。
長文か短文か
長文には細めの明朝体かゴシック体、タイトルや見出しのように目立たせたい短文には太めのゴシック体がおすすめです。
長い文章を書くにあたって適しているのは細身の書体です。太いフォントは圧迫感が強く、長文を読むのには適していません。今までは明朝体を使うケースが多く見られましたが、スマートフォンなどの電子機器の普及で、細めのゴシック体が活用されるケースも増えてきています。
一方でタイトルなどの短文は一目で内容が印象に残るよう、太めのゴシック体を使うことが多いです。
見出しなどに明朝体を使っても問題ありませんが、ウロコなどの表現で文字の太さに緩急が付いているため、本文のサイズ感と混ざって見にくくなることもあります。文書の内容を加味しつつ、見やすさ重視で選びましょう。
印刷するのか画面上で見るのか
紙の上と画面上の見え方が大きく変わることがあるので、印刷用の資料をスクリーンに投影、またはプレゼン用のスライドを印刷、という際には注意が必要です。
太い書体はスクリーンに投影すると見やすく感じますが、小さなサイズの文字は印刷すると潰れてしまうこともあります。特に印刷物は一度に紙面一杯の情報が目に入るので、圧迫感があるものは好ましくありません。
逆に、印刷用に細めの書体をプレゼンのスライドに使うと、光で飛んでしまって文字が見えない…なんてことに。
基本的には、印刷用はすっきりした書体、スクリーンに映す場合は太めの書体、と使い分けると良さそうです。
どんなイメージの文章か
特にロゴマークなどは、文字のデザインが企業や商品のイメージに直結します。
高級感や上品さを出したいなら明朝体を、シャープなイメージやデジタルっぽさを出したいなら角ばったゴシック体を…というように、「見た人にどんなイメージを持ってほしいか」を考えて選びましょう。
フォント選びの注意点
ケースバイケースで適切な書体の選び方をご紹介しましたが、その際に気を付けたいポイントをいくつか挙げておきます。
種類を増やしすぎない
ひとつの資料の中で使うフォントは多くても2~3種類程度に留めましょう。
同じサイズ、同じ文字でも、フォントによって大きさはバラバラ。「ここはこんなイメージだから、あっちはそんなイメージだから…」と何種類もの書体が登場すると、行間や文字の位置が揃わず、ごちゃついて読みにくい印象になります。
見出しと本文でフォントを変える、または強調したい部分だけ太い書体を選ぶ、といった使い方で、種類は少なめに抑えます。
特殊なフォントは画像にする
WEBページやプレゼンのスライド用といったデータに特殊なフォントを用いたいときは、原則画像に置き換えて使いましょう。
データ上のフォント設定は、ものすごく簡単に言うと「この文章は〇〇書体で表示してください」という命令文が入っている状態です。この命令文を受けて、データを開いたパソコンの中から〇〇書体を探し出して反映します。
ですが、このデータを〇〇書体が入っていないPCやタブレットなどで開くと、表示できるフォントがないので、勝手に代わりのフォントを選んで表示してしまいます
画像のフォントは後から編集することはできませんが、勝手に変わってしまうこともありません。どうしても特殊なフォントを使わなければならない…というときは、画像にしてから配置しましょう。
まとめ
同じ文字列でも、読み手の印象を大きく左右してしまう書体・フォント。ビジネス上では基本的に明朝体(セリフ体)、ゴシック体(サンセリフ体)の2種類を使い分けられれば大丈夫です。
長文や印刷物には細身の書体、スクリーンに映すものや重要度の高い短文には太い書体、と覚えておきましょう。
「絶対にこれでなければいけない!」というルールはないので、見やすさの基本を抑えつつ、あとは実際に設定を変えながら試してみてください。ロゴや資料がより理想に近いものになればいいなと思います。
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ライター:野倉