リモートワーク(テレワーク)を前提とした採用のメリット・デメリット
当コラムでは、コロナ渦におけるさまざまな企業取り組みについてご紹介してきました。
今回は「リモートワーク前提の採用活動」という気になるニュースがあったので、その具体的な内容と、リモートワーク前提の採用活動とメリットとデメリットについてご紹介します。
目次
- リモートワーク(テレワーク)とは
- リモートワークの活用例
2-1.米アバナード社の場合
2-2.ナイル株式会社の場合
2-3.リモート導入した経験の活用
- リモートワーク前提採用のメリット・デメリット
3-1.企業側のメリット
3-2.社員側のメリット
3-3.企業側のデメリット
3-4.社員側のデメリット - まとめ
リモートワーク(テレワーク)とは
リモートワークとは、テレワークと同じく日本語で「遠隔の仕事」を意味します。
また、リモートワークの種類は大まかに、下記の3つに分類できます。その中でも、今回ご紹介する「リモートワークを前提とした採用」は「フルタイム・リモートワーク」に該当します。
・テンポラリー・リモートワーク 一部の業務を社外で行う
・ハイブリッド・リモートワーク 会社勤務と遠隔勤務をあわせて仕事を進める
・フルタイム・リモートワーク 在宅をメインに社外で勤務する
リモートワークの活用例
米アバナード社の場合
※以下文章は、週刊BCNの「アバナード リモートワーク前提に経験者を採用 地方で働く道を広げる」の内容を一部引用しています。
URL:https://www.weeklybcn.com/journal/explanation/detail/20201001_177186.html
アバナードは、米国に本社を置く、アクセンチュアとマイクロソフトが合弁したグローバル企業です。
週刊BCNの記事内には、
>アバナードは、キャリア採用でリモートワークを選択できるようにした。同社のオフィスは東京と大阪の2カ所だが、リモートワークを選択することで、東阪以外に居住したままでも勤務できるようになる。
と記載されており、キャリア採用(企業が求める職種や職務内容について、一定の知識や経験を有する人材を確保するための採用活動)に限定はされているものの、リモートワークを前提とした採用を始めたことが報じられています。
また、
>同社は現在、8~9割の社員がリモートワークをしており、「経験者採用の枠であれば、最初からリモートワークでも問題ないことが分かった」(安間代表取締役)と、今回の施策に踏み切った。
とあり、リモートワークに切り替えた社員が多く働く中で、大きな問題が起こらないことが確認でき、その経験から新たに「最初からリモートワークを行うことを前提にした採用」をする決断に至ったことがわかります。
ナイル株式会社の場合
※以下文章は、PRTIMESの「ウィズコロナ時代を見据えて、リモート勤務前提の全国採用を開始」の内容を一部引用しています。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000026355.html
PRTIMESの記事内では、下記のような内容が紹介されています。
>ナイル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 高橋 飛翔)は、ウィズコロナ時代の在宅リモートワークを当たり前にすべく、営業や開発などの専門性を有する職種について、フルリモート勤務の全国採用を開始しました。
>当社では、新型コロナウイルス感染拡大を機に「採用選考のオンライン化」と「在宅でのリモートワーク体制整備」を進めて参りました。採用から入社まですべてリモートオンライン環境で実施した社員が入社後に活躍出来ており、月額定額のカーリースサービスの契約台数も増えているため、さらなる人員増強を目指して、フルリモート前提での全国採用を開始しました。
こちらも、アバナードと同じく、採用から入社まで全てリモートで実施した社員の活躍があったという経験からフルリモート前提での採用を開始したことが読み取れます。
リモート導入した経験の活用
ここまで、二社の「リモートワークを前提にした採用活動」についてご紹介しました。
どちらにも共通して言える事として、コロナウィルスへの対策としてリモート採用やリモートワークを導入した後に、その結果が伴っていることを受け、さらなるリモートワークの推進を行っていくという決断に至った点が挙げられます。
また、経験者でない場合は、業務内容を社内でしっかりと教えていく必要があるため、今のところはまだリモートワークを前提の採用は「経験者」に限定はされているものの、今後業界に対しての経験が不足している、または未経験の求職者に対しても、リモートワークを前提にした採用が活用されていくかどうかというのも非常に注目すべきポイントになりそうです。
リモートワーク前提採用のメリット・デメリット
企業側のメリット
企業側のメリットとしては、求職者が通勤をする必要がなくなるため、地元の通勤ができる範囲内の人材だけでなく、通勤範囲外の優秀な人材の確保を狙うことができます。
コストの削減ができるのも大きなメリットです。リモートワークの導入により、普段書類でやり取りをしていた内容についても、Eメールを利用してやり取りをするように置き換わる可能性が高くなり、紙のコストを削減できるようになります。
さらに、遠方から通勤していた従業員に対しての交通費の支給というコストもカットできるのは大きなメリットだと言えます。
また、コロナ渦での新しい採用活動を積極的に行っている会社として、社会全体からの企業イメージの向上についても期待が持てそうです。またそうした企業イメージの向上は、求職者にとっての応募のモチベーションにもつながるため相乗効果になると考えられます。
社員側のメリット
リモートワークを前提とした採用には、社員が働く環境に左右されにくいというメリットが考えられます。
例えば、普段はリモートではなく通勤しているものの、コロナの感染状況が厳しくなることに伴い「例外的に」リモートワークを行うようになる場合ですと、また状況が改善してこれば、元の通勤をする生活に戻る可能性が高いため、働く環境が短期間で変わり、その負担は比較的大きいと言えます。
それに比べて、リモートワークを前提とした採用は、社員側も途中から通勤に変わる心配もありません。緊急事態宣言により、急遽リモートワークを導入することになった場合に比べ、あらかじめ自宅のリモートワークを行うために必要なヘッドセット、椅子などを余裕をもって購入することができます。
また、同居人がいる場合に、仕事をする部屋と同居人が生活をする部屋を分けるかどうかのなどの相談、お子さんがいらっしゃる家庭では、リモートワーク中に子どもの世話をどうするのかなども含めた相談を行うための期間についても余裕をもって設けることができるのは大きなメリットだと言えます。
企業側のデメリット
企業側のデメリットとして考えられるのが、Web会議を行うための、マイクやカメラ、パソコンの準備や設定にある程度手間がかかることです。
一時的にリモートでの勤務を行う場合は、マイクやカメラなどの機材を新たに買わずに、スマホやPC本体に備え付けのもので賄う選択肢もありました。しかし、完全に業務をリモートで行うことを前提にする場合、やはり専用のマイクやカメラの購入が好ましいです。
さらに、業務を円滑に進めるためのチャットツールの準備など、業務が大がかりになればなるほど、完全リモートでの業務を行う環境の準備に時間がかかることはデメリットと言えそうです。
社員側のデメリット
リモートを前提にした場合、社員側にとっても上記のような機材、チャットツールの設定などの準備は少々手間になるかもしれません。
しかし、それ以上にそもそもリモートを前提とした採用を実施している企業が非常に少なく、「完全にリモートで働きたい」となると、そもそも選べる求人自体が非常に少なくなってしまうのは社員側のデメリットになると考えられます。
まとめ
ここまで、具体的な企業の施策を例に挙げながら、リモートワークを前提とした採用のメリット・デメリットついてご紹介してきました。
まとめると、リモートワークを前提とした採用を行うためには、企業側はまずリモートワークを既に会社内で働いている社員に対して実施し、その中で業務の効率や、売上などのコンバージョンにはどのような変化が現れるのかを確認することが重要だと言えそうです。
実際のリモートワークで得られた経験を参考に、自社がリモートワークを前提とした採用を実施するべきなのかどうか、さらには実施する際にどういった点を改善すればよいかを考えることは、コロナ渦を乗り切るためのより良い採用活動に繋がると考えられます。
本記事が、リモートワーク(テレワーク)を前提とした採用を検討されている方の参考になれば幸いです。
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