二重派遣とは?その仕組と禁止される理由

「二重派遣(にじゅうはけん)」という言葉をご存知ですか?

「なんとなく意味はわかるけど、細かいことまではわからない」
…そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか

今回はそんな二重派遣について詳しくご紹介します。

目次

  1. 二重派遣とは?
  2. 二重派遣が禁止される理由
  3. 二重派遣の罰則
  4. まとめ



二重派遣とは?

二重派遣とは、派遣先の企業が派遣スタッフを、さらに別の会社に派遣することです。

最も重要なポイントは、二重派遣は法律で禁止されている行為だという点です。

通常の労働者派遣は、派遣会社と派遣スタッフが雇用契約を結びます。

派遣先の会社と派遣スタッフは雇用契約を結ばないという点がポイントです。

そして、派遣スタッフは派遣先の企業で指揮命令を受けて、それに従い仕事を進めます。

「派遣スタッフ」←雇用契約→「派遣会社」←派遣契約→「派遣先企業」という関係性になります。

これに対して二重派遣は、

「派遣スタッフ」←雇用契約→「派遣会社」←派遣契約→「派遣先企業」→再派遣→「実際の派遣先」という関係性になります。



二重派遣が禁止される理由

前述の通り通常の派遣では、「派遣スタッフ」←雇用契約→「派遣会社」←派遣契約→「派遣先企業」となっています。

一例として、「派遣スタッフ」と「派遣会社」の「雇用契約」で「派遣スタッフの勤務時間については一日実働8時間、休憩1時間」という条件が決まったとしましょう。

すると、「派遣会社」と「派遣先企業」の間でも「一日実働8時間、休憩1時間」という取り決めが「派遣契約」として結ばれます。

通常の派遣では、雇用契約と同じ条件で「派遣契約」が派遣会社と派遣先企業の間で結ばれるというのがポイントです。


では二重派遣の場合を見てみましょう。

二重派遣の構造は、「派遣スタッフ」←雇用契約→「派遣会社」←派遣契約→「派遣先企業」→再派遣→「実際の派遣先」となっています。

「派遣先企業(実際に働く場所ではない)」から「実際の派遣先(実際に働く派遣場所)」への再派遣には、「派遣契約」が伴いません。

つまり、実際の派遣先(再派遣先)で「一日9時間、休憩1時間」という労働条件が派遣スタッフに強いられたとしても、再派遣先の企業ではそもそもの派遣契約がないため、派遣スタッフは契約違反だと主張しにくく、不利益を被ってしまう可能性が高いので二重派遣は禁止されているのです。



二重派遣の罰則

二重派遣を行った場合、職業安定法第44条違反の罰則を受けることになります。

その対象は、派遣スタッフの再派遣を行った派遣先企業と再派遣を受け入れた企業になり、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科されることになっています。

またそれとは別に、派遣スタッフの再派遣を行った派遣先企業は労働基準法第6条の違反対象にもなります。

こちらは、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金という規定が設けられています。

このように、二重派遣に関する罰則は非常に重いと言えます。



まとめ

ここまで、二重派遣についてご紹介してきました。

まとめると、
派遣先の企業がさらに、派遣契約のない別の派遣先で派遣スタッフを働かせることを二重派遣と言います。

また、二重派遣では派遣スタッフが不利益を受けやすいこともご紹介しました。

このようなリスクを抱えている二重派遣が少なくなり、派遣スタッフ、派遣会社、派遣先企業それぞれの間で良い関係が構築できるといいですね。

今回の記事が、二重派遣についての参考になれば幸いです。

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ライター:井上